Takatani Note

【LaTeX】平方根(ルート)| n乗根、高さの調整など

この記事では LATEX でルート(根号)を出力する方法を紹介します。

ルート(根号)

平方根・立方根・n乗根

ルート√を出力するコマンドは\sqrt[]{}です。

表示コマンド
x\sqrt{x}x の平方根
x3\sqrt[3]{x}x の立方根
xn\sqrt[n]{x}xn 乗根

上表のとおり、[]の中に数字をいれると、ルート√の左肩にその数字が表示されます。[]を省略すると数字は何も表示されず、平方根の形となります。

なお、\sqrtの名前の由来はsquare root(平方根)です。

\sqrt{x+y}
\sqrt{a}+\sqrt{b}
\sqrt{1+\sqrt{x+2}}
Output:

x+y
a+b
1+x+2

上記のとおり、二重根号の場合、\sqrt{}内に再び\sqrtコマンドを入れます。

ルートの高さをそろえる

たとえば、b, y を比べると ルート√の高さ・深さがそれぞれ違います。

このように、\sqrtコマンドはルート√の中身によって√の高さが変わります。

ルート√の高さを揃えたければ、次のコマンドがあります。

順に説明します。

\mathstrut(高さ・深さを広げて揃える)

表示コマンド
b+y\sqrt{b}+\sqrt{y}
(b+(y \sqrt{\mathstrut b}+\sqrt{\mathstrut y}

上表のとおり、\mathstrutによって、by のルートの位置が揃いました。
b のルートはより深くなり、y のルートはより高くなったからです。。

\smash(ルートの深さをゼロにする)

コマンド\smash は有効な高さがあり、深さがゼロの部分式をタイプセットする時 に,部分式の記号と隣の記号の位置の調整をするために便利です。 amsmath パッケージの\smashはオプション引数に[t]と[b]を持ちます。

表示コマンド
y\sqrt{y}
y\sqrt{\smash[t]{y}}
y\sqrt{\smash[b]{y}}

次の例では y のルートだけ下に伸びすぎるのを防ぐために使っています。

\sqrt{x}+\sqrt{y}+\sqrt{z}
\sqrt{x}+\sqrt{\smash[b]{y}}+\sqrt{z}
Output:

x+y+z    x+y+z

根号の指数位置を調整

次の例のように、LaTeXでは根号の指数の位置が良くないことがあります。

\sqrt[k]{\frac{1+x}{2}}
Output:

1+x2k

上の例の k の位置を変えるにはamsmathパッケージの次のコマンドが有用です。

例を紹介します。

表示コマンド
2n\sqrt[n]{2}
2n\sqrt[\uproot{10}n]{2}上に10移動
2n\sqrt[\uproot{-10}n]{2}下に10移動
2n\sqrt[\leftroot{10}n]{2}左に10移動
2n\sqrt[\leftroot{-10}n]{2}右に10移動

上表のとおりです。\uprootに負の引数を与えると n は下に寄り、 \leftrootに負の引数を与えれば n は右に寄ります。

次の例のように、\uproot\leftrootを併用できます。

\sqrt[\leftroot{-2}\uproot{15}k]{\frac{1+x}{2}}
Output:

1+x2k

k の文字を大きくしたいならばk{\large k}{\huge k}などに置き換えてください。

二次方程式の解の公式

x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}
Output:

x=b±b24ac2a

上記の例のコマンドについて、
\pmによってプラスマイナス記号 ± を出力します。
(参照:【LaTeX】プラスマイナス記号(\pm)

\frac{}{}で分数を出力します。
(参照:【LaTeX】分数(\frac)

ルートの中に分数を入れる方法

ルートの中に分数を表示するには、\sqrt{...}の波括弧{ }の中に分数を表すコマンド\frac{}{}を挿入します。

\sqrt{\frac{1}{x+y}}
Output:

1x+y

括弧の大きさを調整

\left( \frac{1+\sqrt{5}}{2} \right)^2
Output:

(1+52)2

上記のとおり、括弧の大きさを調整するコマンドとして、\left\rightがあります。
(参照:【LaTeX】括弧(かっこ)

参考文献

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