ここではLaTeXで分数を出力する方法を紹介します。
LaTeXで分数を出力するには\frac
コマンドを用います。
\frac
は数式中で用います。。
\frac{分子}{分母}
たとえば、\[ y=\frac{1+x}{1-x} \]
と書けば
$$ y=\frac{1+x}{1-x} $$
と出力されます。本文中で$y=\frac{1+x}{1-x}$
とかけば
$y=\frac{1+x}{1-x}$ のように小さめの字になります。
しかし、これは$y=(1+x)/(1-x)$
と書いて
$y=(1+x)/(1-x)$ のようにするほうが良いスタイルであるとされています。
どうしても $\ds y=\frac{1+x}{1-x}$ のように大きい分数を本文中で使いたいときは、
$\displaystyle y=\frac{1+x}{1-x}$
のように書きます。また、次に説明する\dfrac
コマンドを用いても大きい分数を表せます。
\tfrac, \dfrac
LaTeXの分数コマンド\frac{a}{b}
は、本文中ではテキストスタイルの $\frac{a}{b},$
別行立て数式中ではディスプレイスタイルの $\ds\frac{a}{b}$
になります。
amsmathパッケージでは、これに加えて、次の\tfrac, \dfrac
が追加されています:
表示 | コマンド | 説明 |
---|---|---|
$\tfrac{a}{b}$ | \tfrac{a}{b} | 常にテキストスタイル |
$\dfrac{a}{b}$ | \dfrac{a}{b} | 常にディスプレイスタイル |
\frac{1}{(x+y)^2}
\tfrac{1}{(x+y)^2}
\dfrac{1}{(x+y)^2}
$ \frac{1}{(x+y)^2}\ \ \tfrac{1}{(x+y)^2}\ \ \dfrac{1}{(x+y)^2}\ \ $
e^{\frac{1}{x}}
e^{\tfrac{1}{x}}
e^{\dfrac{1}{x}}
$ e^{\frac{1}{x}}\ \ e^{\tfrac{1}{x}}\ \ e^{\dfrac{1}{x}}\ \ $
( )
分数を囲む大きい括弧は2つのコマンド\left, \right
によって出力されます。
\left( \frac{a}{b} \right)
$\ds \left( \frac{a}{b} \right) $
\left, \right
は括弧の大きさを自動調整してくれるコマンドです。
詳細記事:括弧
$\newcommand{\Frac}[2]{ {}^1 \! / \! {}_4 }$ 分数を $\frac{1}{4}$ でなく $\Frac{1}{4}$ にするには次のようにします。
\newcommand{\Frac}[2]{ {}^1 \! / \! {}_4 }
※\!
は空白を詰めるコマンドです。
詳細記事:空白の調整
これで$\Frac{1}{4}$
と書けば $\Frac{1}{4}$
と出力できます。
\cfrac
連分数(continued fraction)を書くときは、\cfrac
を使うのがオススメです。
通常の\frac
より連分数がきれいに表示します。
\cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{a_2+\cfrac{1}{a_3+\cfrac{1}{a_4+\cdots}}}}
\dfrac{1}{a_1+\dfrac{1}{a_2+\dfrac{1}{a_3+\dfrac{1}{a_4+\cdots}}}}
$\cfrac{1}{a_1+\cfrac{1}{a_2+\cfrac{1}{a_3+\cfrac{1}{a_4+\cdots}}}}$
$\ \ \ $
$\dfrac{1}{a_1+\dfrac{1}{a_2+\dfrac{1}{a_3+\dfrac{1}{a_4+\cdots}}}}$
※左が\cfrac
、右が\dfrac
。
分数の分母または分子に日本語を入れる場合は\text
コマンドを用います。
\frac{\text{分子}}{\text{分母}}
$\ds \frac{\text{分子}}{\text{分母}} $
このように分母・分子に文字を入れられます。