この記事では、LaTeXでテキストを入力通りに出力する方法を紹介します。
LaTeXで半角文字の# $ % & _ { } \ ^ ~
などを出力しようとしてもそのままではうまくできません。
また、改行は無視され、半角のスペースは何個並べても1個分のスペースしか空きません。
しかし、本記事で紹介する\verb
コマンドやverbatime環境を使えば入力通りに出力できます。
\verb
コマンド
LaTeXで\verb
コマンドを使用すると、入力部分がそのまま出力されます。\verb
は通常、特殊文字やLaTeXのコマンドを無視し、そのまま表示するために使用されます。
\verb|テキスト|
※|
の代わりに他の文字(例:{、}、#、!
など)を使用することもできますが、\verb
の開始文字と終了文字は同じである必要があります。このため、|
を使うことが一般的です。
\verb|(^_^)|は笑顔を表す顔文字です。
(^_^)は笑顔を表す顔文字です。
※\verb
は本文中で使用されることが多いですが、見出しやキャプションなど一部の場所では正しく動作しないことがあります。
\verb
は短いテキストの表示に適しています。
一方、長いテキストの表示には次のverbatim環境が適しています。
verbatim環境を使用すると、その中に記述されたテキストをそのまま表示できます。
この環境は特にコンピュータプログラムの出力に便利です。
なお、この「verbatim」は「文字通りに」という意味の英単語です。
\begin{verbatim}
~
\end{verbatim}
\begin{verbatim}
%%%%%%
$$$$$$
######
\end{verbatim}
%%%%%%
$$$$$$
######
※verbatim環境内のテキストは、太字の固定幅フォントで表示され、自動的に改行されます。
※verbatim環境内では通常のLaTeXコマンドが無効になるため、特定の書式設定やテキストのスタイリングは効果がありません。そのため、テキストのスタイリングや特定のLaTeXコマンドを使用する必要がある場合は、他の方法を検討する必要があります。
\begin{verbatim*} ~ \end{verbatim*}
や\verb*|...|
のように $*$ 印を付けると、半角空白が␣という文字で出力されます。
なお、\chapter{...}
や\section{...}
のような型の{ }
の中では\verb
命令はたいてい使えないので、特殊文字の出力は他の方法によらなければなりません。
目的がタイプライタ体で出力するだけなら、代わりに\texttt{...}
が使えます。