この記事ではLaTeXでベクトルを出力する方法を紹介します。
最初に、主要なコマンドを表にまとめておきます。
表示 | コマンド | 備考 |
---|---|---|
$\vec{a}$ | \vec{a} | |
$\overrightarrow{AB}$ | \overrightarrow{AB} | 長い矢印 |
$\boldsymbol{v}$ | \boldsymbol{v} | 太字 |
$\hat{e}$ | \hat{e} | 単位ベクトル |
以下、詳しく説明していきます。
\vec, \overrightarrow
$\vec{a}$ は\vecコマンドを用います。
\vec{a}
\vec{AB}
$\ds \vec{a}\ \ \ \vec{AB} $
\vec{***}
の矢印は長さが固定されているので、
{ }
の内部が大きい文字でも矢印の大きさは変わりません。
\overrightarrow{AB}
$\ds \overrightarrow{AB} $
\overrightarrow{***}
は{ }
の中身によって伸縮する矢印です。
\boldsymbol,\bm
ベクトルを $\boldsymbol{v}$ のように太字の斜体で表現する場合は\boldsymbol
を使います。
\boldsymbol{v}
$\ds \boldsymbol{v} $
bmパッケージによる\bm
コマンドでも太字を表現できます。
その場合はプリアンブルで\usepackage{bm}
を書いておきましょう。
bmパッケージを使わなくても、次のようなマクロを定義すれば\bm
が使えます:
\def\bm#1{\boldsymbol{#1}}
$\def\bm#1{\boldsymbol{#1}}$
これで例えば\bm{x}
と入力すれば $\bm{x}$ が出力されます。
列ベクトルは1列の行列と解釈すれば、行列を出力するpmatrix環境などを用いて縦ベクトルを表示できます。
表示 | コマンド |
---|---|
$\begin{pmatrix} a \\ b \\ c \end{pmatrix}$ |
|
$\begin{bmatrix} a \\ b \\ c \end{bmatrix}$ |
|
$\ds $
関連記事:行列
\| \boldsymbol{x} \|
$\ds \| \boldsymbol{x} \| $
内積(スカラー積)の「$\cdot$」を表すには\cdot
を用います。
\boldsymbol{a} \cdot \boldsymbol{b}
$\ds \boldsymbol{a} \cdot \boldsymbol{b}\ \ \ $
外積(ベクトル積)の「$\times$」を表すには\times
を用います。
\boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b}
$\ds \boldsymbol{a} \times \boldsymbol{b} $