この記事では、表紙の書き方について説明します。
\maketitle
\maketitle
コマンドを使用して文書にタイトルを付けることができます。
そのためには、プリアンブルにおいて\title、\author, \date
によって文章のタイトル・著者名・日付を設定しておく必要があります。
下表はタイトル(表題)・著者名・日付に関するコマンド表です。
コマンド | 説明 |
---|---|
\title{...} | タイトル(表題) |
\author{...} | 著者。著者が複数いる場合は著者の間に「\and」を挟みます。
\andの前後には半角スペースを入れること。 改行したければ \\ を用いる。 |
\thanks{...} | 著者の注意書き、所属など。\author{...}の{} 内で用いる。
(例:\author{太郎\thanks{ABC大学}}。)
表示場所はページ下端の欄外。
|
\date{...} | 日付。文章の作成日を指定します。 (例:\date{2020年1月1日}。) |
\maketitle | 指定したタイトル、著者、日付を出力。これがないとこれらは出力されない。 |
※\title、\author、\thanks、\author
はプリアンブルで指定し、\maketitle
は本文(\begin{document}
の後)に記述します。
※著者が不要ならば,記述しないか\author{}
とします.
※\date{}
とすれば日付なしになります。
※今日の日付を出力するには、\date
そのものを書かないか、\date{\today}
と書く。
\documentclass[12pt]{jsarticle}
\title{タイトルの書き方}
\author{高谷 遼 \and Ryo Takatani}
\date{2020年1月1日}
\begin{document}
\maketitle
\end{document}
\thanks
で指定した著者の注意書きは、次のようにページ下端の脚注として、出力されます:
\documentclass[12pt]{jsarticle}
\title{タイトルの書き方}
\author{
高谷 遼 \thanks{所属:〇学部 〇〇専攻} \and
Ryo Takatani \thanks{学籍番号:00000xxx}
}
\date{2020年1月1日}
\begin{document}
\maketitle
本文
\end{document}
*所属:〇学部 〇〇専攻
${}^\dagger$ 学籍番号:00000xxx
\title{タイトルの\huge{書き方} }
タイトルの書き方
著者名を複数行にしたい場合,\author
内において改行コマンド\\
を用います:
\author{
高谷 遼 \thanks{学部:〇学部 〇〇専攻} \\
Ryo Takatani \thanks{学籍番号:00000xxx}
}
高谷 遼${}^*$
Ryo Takatani${}^\dagger$
タイトルを二行にしたい場合も同様に改行コマンド\\
を用います。
\maketitle
コマンドによって、標準で作成されるタイトルが気に入らなければ、titlepage環境を用いて、自分でタイトルを自由にデザインすることができます。
\begin{titlepage}
...
\end{titlepage}
titlepage環境は次のことを行います。
タイトル用に1ページを用意する。 ページ番号は出力しない。 次のページのページ番号を1にする。
titlepage環境を用いると自由にタイトルをデザインできます。 titlepage環境はドキュメントクラスに関係なく表紙を用意します。
\documentclass[12pt]{jsarticle}
\begin{document}
\begin{titlepage}
%
\vspace*{15pt}\noindent
{\Large タイトルの書き方}\vspace{5pt} \\
2020年 1月1日 \vspace{5pt} \\
%
\begin{tabular}{@{}ll}
氏名 & 高谷 遼 \\
学部 & 〇学部 〇〇専攻
\end{tabular}
%
\end{titlepage}
\end{document}
タイトルの書き方
2020年1月1日
氏名 高谷 遼
学部 〇学部 〇〇専攻
\documentclass[12pt]{jsarticle}
\begin{document}
\begin{titlepage}
\begin{center}
%
{\Large タイトルの書き方}
\vspace{15pt} \\
%
\begin{tabular}{rl}
氏名 & 高谷 遼 \\
学部 & 〇学部 〇〇専攻 \\
学籍番号 & 00000xxx
\end{tabular}
%
\vspace{3pt} \\
2020年 1月1日 %今日の日付にしたいなら\today
%
\end{center}
\end{titlepage}
\end{document}
氏名 | 高谷 遼 |
学部 | 〇学部 〇〇専攻 |
学籍番号 | 00000xxx |
※\today
というコマンドはLaTeXを処理した日付を自動的に出力します。
ここからは、LaTeXで作成した文章の概要(アブストラクト, abstract)を作成する方法を紹介します。
文章の概要を作るにはabstract環境を使います。
\begin{abstract}
... 文書の概要 ...
\end{abstract}
abstract環境は、文章クラスの「論文(article、jarticle、jsarticle)」と「報告書(report、jreport)」で定義されています。
しかし、「本(book、jbook、jsbook)」では利用できません。
\documentclass[12pt]{jsarticle}
\title{タイトルの書き方}
\author{高谷 遼}
\date{2020年1月1日}
\begin{document}
\maketitle
\begin{abstract}
この記事では、LaTeXにおいてタイトルと概要の書き方を説明します。%
まず、タイトルを書くために指定するタイトル、著者名、日付などを述べます。%
その次に概要の書き方を説明します。
\end{abstract}
ここからが本文になります。
\end{document}
この記事では、LaTeXにおいてタイトルと概要の書き方を説明します。まず、タイトルを書くために指定するタイトル、著者名、日付などを述べます。その次に概要の書き方を説明します。
ここからが本文になります。
\documentclass[titlepage]{jsarticle}
と書くと、「タイトル・著者・日付」と「概要」と「本文」が別々のページに分かれます。
先ほどの例では、タイトルに引き続き(同一ページで)概要・本文が記述されました。タイトルと本文を分けたい場合、上のように文書クラスの設定のオプションに「titlepage」を指定することで表紙が独立ページに表示されます。