この記事では、LaTeXで総和記号 $\sum$ および総積記号 $\prod$ を出力するコマンドを紹介します。
表示 | コマンド | 表示 | コマンド |
---|---|---|---|
$\sum$ | \sum | $\ds\sum_{k=1}^n$ | \sum_{k=1}^n |
$\prod$ | \prod | $\ds\prod_{k=1}^n$ | \prod_{k=1}^n |
上表のとおり、和の記号 $\sum$ を出力する命令は\sum
であって、積の記号 $\prod$ は\prod
です。
なお, $\coprod$ は非交和記号を意味し、そのコマンドは\coprod
です。
ここから総和 $\sum$ について解説します。
たとえば
\sum_{n=0}^{\infty} a_n
と入力すれば、インライン数式中では $\sum_{n=0}^{\infty} a_n$ が出力され、ディスプレイ数式中では $\ds \sum_{n=0}^{\infty} a_n$ が出力されます。
インライン数式中でも $\ds \sum_{n=0}^{\infty} a_n$ を
表示させたければ\displaystyle
を用います:
{\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} a_n }
他方、ディスプレイ数式中に $\sum_{n=0}^{\infty} a_n$
を表示させたければ\textstyle
を用います。
添え字を2行以上にするには\substack
を使います。
\sum_{\substack{0< i< m \\ 0< j< n }}
$\ds \sum_{\substack{0< i< m \\ 0< j< n }} $
※\\
は改行コマンド。
\sum
と\Sigma
の違い
$\sum$ はギリシャ文字のシグマなので「\Sigma
でもいいのではないか?」と考える人もいると思いますが、実際に\Sigma
を入力してみると,
\sum \Sigma \Sigma_{n=1}^\infty
$ \sum\ \ \ \Sigma\ \ \ \Sigma_{n=1}^\infty $
このとおり, \sum
よりも小さく表示されてしまいます。
なお、小文字のシグマ $\sigma$ は\sigma
というコマンドによって表示されます。
\prod
$\prod{}$ を出力するコマンドは\prod
です。
$\sum$ と同様に
\prod_{n=0}^{\infty} a_n
と入力すれば、インライン数式中では $\prod_{n=0}^{\infty} a_n$ が出力され、ディスプレイ数式中では $\ds \prod_{n=0}^{\infty} a_n$ が出力されます。
\sum_{k=1}^n k
= 1+2+ \cdots +n
= \frac{n(n+1)}{2}
$\ds \sum_{k=1}^n k = 1+2+ \cdots +n = \frac{n(n+1)}{2} $
\sum_{k=1}^{n} k^2
= 1^2 + 2^2 + \cdots + n^2
= \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
$\ds \sum_{k=1}^{n} k^2 = 1^2 + 2^2 + \cdots + n^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} $
\frac{\sin \pi z}{\pi z}
=\prod_{n=1}^{\infty}
\left( 1-\frac{z^2}{n^2} \right)
$\ds \frac {\sin \pi z}{\pi z}=\prod _{n=1}^{\infty}\left(1-\frac{z^2}{n^2}\right) $
\zeta (z)=\prod_{n=1}^{\infty}
\frac{1}{1-p_n^{-z}}
$\ds \zeta (z)=\prod_{n=1}^{\infty}\frac{1}{1-p_n^{-z}} $