この記事では、LaTeXにおける箇条書きの書き方について説明します。
箇条書きを出力するには、itemaize環境を使用します。
各項目の先頭に\item
コマンドを指定すると,
行頭に(デフォルトで)記号●が付いた箇条書きが出力されます。
\begin{itemize}
\item リスト1
\item リスト2
...
\end{itemize}
※行末に改行コマンドを入力しなくても改行されます。また行を空けても無視されます。
\begin{itemize}
\item りんご
\item みかん
\item バナナ
\end{itemize}
※\item[★]
のようにすると、そこだけ項目の記号が★に変わります。
itemize環境内に、さらにitemize環境を指定することで最大4レベルまでの階層構造にすることができます。このとき行頭のマークは、階層ごとに異なるものが使用されます。
\begin{itemize}
\item 数I
\begin{itemize}
\item 二次関数
\item 三角比
\end{itemize}
\item 数II
\begin{itemize}
\item 三角関数
\item 微分
\end{itemize}
\end{itemize}
各項目の行頭に付く●などの記号は、クラスファイルの中で定めています。第1~4レベルの記号を出力するコマンドはそれぞれ次です。
\labelitemi
\labelitemii
\labelitemiii
\labelitemiv
例えば第1レベルの●(\textbulletまたは $\bullet$)
が大きいので和文の「・」に替えたいならば
\renewcommand{\labelitemi}{・}
\def\labelitemi{・}
と入力します。
番号付き箇条書きを出力するにはenumerate環境を用います。
enumerate環境内で\item
コマンドを使用すると、
行頭に番号(1,2,3,...)が振られます。
\begin{enumerate}
\item リスト1
\item リスト2
...
\end{enumerate}
\begin{enumerate}
\item りんご
\item みかん
\item バナナ
\end{enumerate}
enumerate環境も, itemize環境と同様、階層構造を持たせることができます。 行頭の番号も階層ごとに異なるものが使用されます。
\begin{enumerate}
\item 第1レベルの箇条書き
\begin{enumerate}
\item 第2レベルの箇条書き
\begin{enumerate}
\item 第3レベルの箇条書き
\end{enumerate}
\end{enumerate}
\end{enumerate}
(1),(2),(3)やi),ii),iii)などのような括弧がついた(第1レベルの)番号付きの箇条書きを出力するには、
\theenumi
および\labelenumi
を再定義する必要があります。
\def\theenumi{書体定義コマンド}
\def\labelenumi{体裁}
※第2レベルの箇条書きを変更するなら\theenumii, \labelenumii
を変更します.
\theenumi
で指定可能な書体定義コマンドには次の表のようなものがあります。
指示 | 書式 | 出力例 |
---|---|---|
\arabic{enumi} | アラビア数字 | 1、2、3、・・・ |
\roman{enumi} | 小文字のローマ数字 | ⅰ、ⅱ、ⅲ、・・・ |
\Roman{enumi} | 大文字のローマ数字 | Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、・・・ |
\alph{enumi} | 小文字アルファベット | a、b、c、・・・ |
\Alph{enumi} | 大文字アルファベット | A、B、C、・・・ |
\labelnumi
の引数には、\theenumi
を含む出力体裁を指定します。
※レベル2、レベル3、レベル4の入れ子にアラビア数字を出力するには
\arabic{enumii}, \arabic{enumiii}, \arabic{enumiv}
という指示を出します。他も同様です。
\def\labelenumi{(\theenumi)}
\begin{enumerate}
\item りんご
\item みかん
\item バナナ
\end{enumerate}
\def\theenumi{\roman{enumi}}
\def\labelenumi{\theenumi)}
\begin{enumerate}
\item りんご
\item みかん
\item バナナ
\end{enumerate}
箇条書きの先頭を、記号ではなく文章にする、いわゆる説明付き箇条書きを出力するには、
description環境を使用します。
description環境内では、\item
コマンドの引数に説明書きを指定できます。
\begin{description}
\item[説明] 文章
\item[説明] 文章
...
\end{description}
\begin{description}
\item[日時] 2020年6月7日 午後3時
\item[場所] 3号館2階セミナー室
\end{description}
日時 2020年6月7日 午後3時
場所 3号館2階セミナー室
それぞれの項目の頭には\item[見出し]
を付けます。
見出しの直後で改行したい場合は、単に強制改行
\\
を入れてもうまくいきません。
次のように\mbox{}
という見えない箱を入れるとうまくいきます。
\begin{description}
\item[日時] \mbox{} \\
2020年6月7日 午後3時
\item[場所] \mbox{} \\
3号館2階セミナー室
\end{description}
日時
2020年6月7日 午後3時
場所
3号館2階セミナー室