この記事では、equation環境やalign環境のような数式環境によって、数式番号をつけたり、複数行の数式を出力させたりする方法について解説します。
数式番号の付いた別行立ての数式を出力するにはequation環境を使います。
equation環境内に記述された数式には、自動的に連番が割り振られ、数式の右側に出力されます。
なお,equation環境内は自動的にディスプレイ数式モードになるため、数式を
\[ \]
や$$ $$
で囲む必要はありません。
\begin{equation}
数式...
\end{equation}
\begin{equation}
E=mc^2
\end{equation}
$$ E=mc^2 \tag{1} $$
数式番号が不要な場合はequation*環境が使えます。
また、\[...\]
や$$...$$
も使えます。
\begin{equation*}
E=mc^2
\end{equation*}
$$ E=mc^2 $$
標準的でない数式番号は\tag
で付けます。
たとえば $(*)$ という番号を付けるには\tag{$*$}
とします。
\begin{equation}
E=mc^2 \tag{$*$}
\end{equation}
$$ E=mc^2 \tag{$*$} $$
\tag{...}
の中身は本文用フォントで組まれます。
数式番号に括弧を付けない場合は\tag*{...}
とします。
複数行の数式を出力するコマンドをいくつか紹介します。
複数の数式を並べるにはgather環境を使います。数式の区切り(改行)は\\
です。最後の行には\\
を付けません。
\begin{gather}
(a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2 \\
(a-b)^2 = a^2 - 2ab + b^2 \notag \\
(a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3
\end{gather}
$$ \begin{gather} (a+b)^2 = a^2 + 2ab + b^2 \tag{6.7} \\ (a-b)^2 = a^2 - 2ab + b^2 \notag \\ (a+b)^3 = a^3 + 3a^2b + 3ab^2 + b^3 \tag{6.8} \end{gather} $$
各行に数式番号が付きますが、番号を付けたくない行は、最後(\\
の直前)に\notag
と書いておきます(ほかの数式環境でも同様です)。
gather
の代わりにgather*
とすると、全部の行に数式番号が付きません。
環境名に $*$ を付けると番号が付かないのは、他の数式環境も同様です。
改行の命令\\
をたとえば\\[-3pt]
に変えると、改行の幅が通常より3ポイント小さくなります。
align環境は&
で位置を揃えることができます。
各行に番号が付きます。 番号の不要な行には\notag
を使います。
\begin{align}
(a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\
& = a^2 + 2ab + b^2
\end{align}
$$ \begin{align} (a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\ & = a^2 + 2ab + b^2 \tag{6.9} \end{align} $$
どの行にも番号が不要ならalign*環境を使います。
align環境の類は各行に複数の&
があってもかまいません。
\begin{align*}
\sin A & = y/r & \cos A & = x/r \\
\tan A & = y/x & \cot A & = x/y
\end{align*}
$ \begin{align*} \sin A & = y/r & \cos A & = x/r \\ \tan A & = y/x & \cot A & = x/y \end{align*} $
位置を揃えた複数行の数式全体の中央に番号を振るには、split環境またはaligned環境で一を揃え、全体をほかの数式環境の中にいれて番号を振ります。
\begin{equation}
\begin{split}
(a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\
& = a^2 + 2ab + b^2
\end{split}
\end{equation}
$$ \begin{equation} \eqalign{ (a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\ & = a^2 + 2ab + b^2 \tag{6.10} } \end{equation} $$
上の例で数式番号を出力したのはequation環境のほうです。 split自身は数式番号を出力しません(split*はありません)。
aligned環境を枠\fbox
に入れることができます。
\fbox{$
\begin{aligned}
(a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\
& = a^2 + 2ab + b^2
\end{aligned} $}
$ \fbox{$ \begin{aligned} (a+b)^2 & = a^2 + ab + ba +b^2 \\ & = a^2 + 2ab + b^2 \end{aligned} $} $