この記事では、LaTeXで参考文献の作成・参照について解説します。
\bibitem
】\begin{thebibliography}{桁}
\bibitem[見出し]{参照キー} 文献
\bibitem[見出し]{参照キー} 文献
...
\end{thebibliography}
参考文献リストを作るには、thebibliography環境を用います。
この環境内では\item
の代わりに\bibitem
を使って各文献を列挙します。
[見出し]は省略可能です。 省略した場合は[1][2]といった連番の通し番号が自動的に割り振られます。
{桁}
には、[見出し]の最大の幅を与える文字列を指定します。
参考文献の見出しが数字のみで文献数が一桁の場合には9を(二桁の場合は99)を指定します。
詳しいことは後の例を参照してください。
{参照キー}
は参照用のラベルです。あとで紹介する\cite
を用いるときに役立ちます。
文献には文献情報(著者名、タイトル、出版社など)を記述します。
\documentclass[12pt]{jarticle}
\begin{document}
% 参考文献リスト
\begin{thebibliography}{9}
\bibitem{nat} 夏目漱石 『道草』
\bibitem{kaw}川端康成 『雪国』
\bibitem{basho} 松尾芭蕉 『奥の細道』
\end{thebibliography}
\end{document}
参考文献
[1] 夏目漱石 『道草』
[2] 川端康成 『雪国』
[3] 松尾芭蕉 『奥の細道』
上の例では見出しがなく、かつ文献数が一桁なので{桁}
には9が入ります。
次の例では[見出し]
の中でKawabata
が一番長い文字列なので{桁}
にはKawabata
が入ります。
\documentclass[12pt]{jarticle}
\begin{document}
% 参考文献リスト
\begin{thebibliography}{Kawabata}
\bibitem[Natsume]{nat} 夏目漱石 『道草』
\bibitem[Kawabata]{kaw}川端康成 『雪国』
\bibitem[Matsuo]{basho} 松尾芭蕉 『奥の細道』
\end{thebibliography}
\end{document}
参考文献
[Natume] $\ \ \ \hspace{-4pt}$夏目漱石 『道草』
[Kawabata] 川端康成 『雪国』
[Matsuo] 松尾芭蕉 『奥の細道』
上の方法は文献の数が少なければ問題ないですが、文献数が多くなってきたときは面倒です。
そこで、「BibTeX」という便利なツールがあります。
BibTexとは参考文献を外部データベースから参照するための処理系です。
使い方については説明が長くなるので本記事では紹介しません。
\cite
】
作成した参考文献を参照したい場所には、\cite
コマンドを用います。
\cite
コマンドは次のように指定します。
コマンド | 備考 |
---|---|
\cite{参照キー} | 参考文献の参照キーを指定します。 |
\cite[コメント]{参照キー} | 参考文献の補足として「コメント」を指定できます。 たとえば、参照ページや定理の番号などを入力します。コメントは省略可能です。 |
\cite{参照キー,参照キー,参照キー} | 複数の参考文献を参照する場合は「,」カンマ区切りで参考キーを並べます。 |
※\cite
と\bibitem
を使った相互参照のある文書を処理するには、少なくとも2回タイプセットする必要があります。
解析の入門書として\cite{kod}を勧める. \\
この定理の証明は\cite[定理5.23]{sai}を参照せよ.
\begin{thebibliography}{99}
\bibitem{kod} 小平邦彦『解析入門』岩波書店
\bibitem{sai} 斎藤正彦『線型代数入門』東京大学出版会
\end{thebibliography}
解析の入門書として[1]を勧める.
この定理の証明は[2, 定理5.23]を参照せよ.
参考文献
[1] 小平邦彦『解析入門』岩波書店
[2] 斎藤正彦『線型代数入門』東京大学出版会
このように LaTeX の文中で \cite
コマンドを使って、参考文献を参照すると[番号]が表示されます。番号を指定していない場合は連番、指定した場合はその番号が表示されます。