この記事では、LaTeXのarray環境について詳しく解説します。
array環境は、tabular環境とほぼ同じものです。 ただ、tabular環境が本文中で使うのに対して、array環境は数式中で使う点が違います。
\begin{array}{列指定}
項目1 & 項目2 & 項目3 \\
項目1 & 項目2 & 項目3 \\
項目1 & 項目2 & 項目3
\end{array}
※各列は&
で区切り、各行は\\
で区切ります。
列指定にはl,c,r
の中から列数の数だけ(重複を許して)選びます。
これらは各列を左寄せ(left)、中央寄せ(center)、右寄せ(right)に指定します。
たとえば、\begin{array}{lrr}...
は3列の表で、
一列目が左寄せ、二列目と三列目が右寄せの表を出力します。
例えば、{ll}
ならば2列、{lllll}
ならば5列にすることを宣言します。
\begin{array}{lcr}
xxxxx & yyyyy & zzzzz \\
x & y & z
\end{array}
$ \begin{array}{lcr} xxxxx & yyyyy & zzzzz \\ x & y & z \end{array} $
l,c,rは列の揃え方を指定するものです。 lは左揃え、cは右揃え、rは右揃えです。
列の区切り線を入れるには、{c|cc}
のように縦棒を入れます。
表示 | コマンド | 備考 |
---|---|---|
$\begin{array}{c|cc} a & b & c \\ x & y & z \end{array}$ |
|
{c|cc} とすれば、1列目と2列目の間に区切り線が引かれます。 |
$\begin{array}{|c|c|c|} a & b & c \\ x & y & z \end{array}$ |
|
{|ccc} とすれば、左端に罫線が引かれます。 |
$\begin{array}{c:cc} a & b & c \\ x & y & z \end{array}$ |
|
{ccc} に縦棒 | ではなく、コロン : を入れると、区切り線が破線になります。 |
行の区切り線を入れるには、\hline
コマンドを用います。
表示 | コマンド | 備考 |
---|---|---|
$\begin{array}{ccc} a & b & c \\ \hline x & y & z \end{array}$ |
|
|
$\begin{array}{ccc} \hline a & b & c \\ \hline x & y & z \\ \hline \end{array}$ |
|
下端に罫線を引く場合、最終行に改行コマンド // を入れるのを忘れずに! |
$\begin{array}{ccc} a & b & c \\ \hdashline x & y & z \end{array}$ |
|
横罫線を破線にしたい場合、\hdashlineを用います。 |
array環境(またはtable環境)で行間の長さを変更したいとき,
変更したいarray環境の直前で次のように\arraystretch
コマンドを再定義します。たとえば、
\def\arraystretch{1.5}
と定義すれば、行間の長さは1.5倍になります。
0.5倍にしたければ{0.5}
と入力します。
なお、初期値は1です。
あるarray環境の行間を変更した後、それ以降では通常の間隔にしたいとき、\arraystretch
コマンドの値を1に再々定義すれば、行間の長さがもとに戻ります。
特定の行間を変更する場合、\\[5pt]
のように改行コマンド \\
の直後に数値を入力します。
\begin{array}{ccc}
a & b & c \\[5pt]
x & y & z \\
1 & 2 & 3
\end{array}
$ \begin{array}{ccc} a & b & c \\[5pt] x & y & z \\ 1 & 2 & 3 \end{array} $
全体の列間を調整したい場合は
\arraycolsep=10pt
のように入力します。
@{}
は空白をゼロにするものです。
@{\ }
は空白をゼロにしてから、半角分のスペースを空けるコマンドです。