フーリエ級数【例題】
この記事では、周期関数の(複素)フーリエ級数を求める例題を扱います。
フーリエ級数
定義
周期 の周期関数 に対して,
を のフーリエ係数という.
※ は「 から 」や「
から 」など積分区間の長さが である積分を意味する.
※上式の被積分関数はすべて周期 の周期関数なので, このような定義ができる.
定義
を周期 の周期関数とする.
次の級数を のフーリエ級数という.
※ は上記で定めたフーリエ係数.
※一般に, 関数
のフーリエ級数は必ずしも収束するとは限らない.
また, のフーリエ級数が収束しても,
必ずしも と一致するとは限らない.
そこで, とそのフーリエ級数の関係を,
記号 (チルダ)を用いて次のように表す.
例題
次の周期関数 のフーリエ級数を求めよ.
この関数のグラフを方形波という.
- ▼ 解答
-
[解答]
の周期は であるから
である. まず, を求める.
と はともに奇関数であるから,
である. 次に, を求める.
は偶関数であり,
であるから,
となる. したがって, のフーリエ級数は次のようになる.
複素フーリエ級数
定理
周期 の周期関数 の複素フーリエ級数を
と定める. ただし, とする.
このとき, のフーリエ級数は
となる. この式の右辺を の複素フーリエ級数という.
- ▼ 証明
-
[証明]
であるから, のフーリエ級数
の右辺の 内の式を とすると,
となる. ここで, を
と定める. であることに注意すると, は
と表せる.
一方, のフーリエ級数は
であるから, 自然数 に対して, はそれぞれ
例題
周期 の関数
の複素フーリエ級数を求めよ.
- ▼ 解答
-
[解答]
であるから
である. したがって, 複素フーリエ級数は
である. ここで, のとき,
となる. また, のときは,
となる. ここで, を用いると,
となる. したがって, の複素フーリエ級数は次のようになる.
例題
周期 の関数
の複素フーリエ級数を求めよ.
- ▼ 解答
-
[解答]
であるから
である. したがって, 複素フーリエ級数は
のとき,
となる.
のとき,
したがって, の複素フーリエ級数は次のようになる.
参考文献
- 小平邦彦『解析入門I』岩波書店
- 吹田信之・新保経彦『理工系の微分積分学』学術図書出版社