Takatani Note

Hurwitzの公式の応用

下記の公式をHurwitzの公式といいます。

公式[Har 5章系2.4]
$f:X\to Y$ を非特異射影曲線の間の有限射とし, $n=\deg f$ とする. このとき, \[ 2g(X)-2=n\cdot(2g(Y)-2)+\deg R. \]

この記事では, Hurwitzの公式を使ってフェルマー曲線: \[ x^n+y^n=z^n\subset \P^2 \] の種数 $g$ を求める方法を紹介します。

以下, 定義・記号は特にことわりがなければ[Har]に合わせています。

フェルマー曲線の種数

$F_n$ を $n$ 次フェルマー曲線:
$\ \ \ x^n+y^n=z^n\subset \P^2$
とする.
$F_n$ の種数 $g(F_n)$ を求めよう.

問題
Hurwitzの公式を使って $g(F_3)=1$ であることを示せ.

[証明]
$f:F_3\to \P^1,$
$\ \ \ (x:y:z)\mapsto (y:z)$
とすると, $f$ は $\P^1$ 内の3点 $(1,1),(1,\omega),(1,\omega^2)$ で分岐する射である.
ただし, $\omega$ を原始3乗根とする.

$\deg R=3(3-1)=6,$ $\deg f=3$ なので, フルビッツの公式より, \[ 2g(F_3)-2=3(0-2)+6. \] よって, $g(F_3)=1$ を得る.


問題
Hurwitzの公式を使って $g(F_4)=3$ であることを示せ.

[証明]
$f:F_4\to \P^1,$
$\ \ \ (x:y:z)\mapsto (y:z)$
とすると, $f$ は $\P^1$ 内の4点 $(1,1),(1,i),(1,-i),(1,-1)$ で分岐する射である.

$\deg R=4(4-1)=12,$ $\deg f=4$ なので, フルビッツの公式より, \[ 2g(F_4)-2=4(0-2)+12. \] よって, $g(F_4)=3$ を得る.

※フェルマー曲線の種数の求め方は他にも,
・リーマン・ロッホの定理
・コホモロジーと短完全列
など複数ある.